新・全日本ブログ

5年の歳月を忘れたことにしてひっそりと再開

タイで象に乗るならオフロードタイプを選ぼう

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タイのバンコク周辺で観光ツアーに参加した場合、王宮・アユタヤ遺跡・寺院などの見学とセットで象に乗るのが定番だと思う。

タイの9月、まだ完全に気温が熱すぎる夏の日。僕らの乗ったバスはアユタヤ遺跡観光の後に雑草がまばらに生える象乗り場に辿り着く。受付で整列させられた後に、派手な布で装飾された象に乗りこみ、ベルトコンベア式に道路へ出発していった。

 

アユタヤとセットで乗った象。一般道を歩いている。

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 生き物の背中に跨るのは子供の頃に牧場のポニーへ乗って以来だ。

しかも今回は動物園で眺めることはあっても触れることは決してなかった象。
象使いに促されて背中に座り、静かに揺られながら、車が並走する一般道をゆっくり移動していくのは胸が踊る…のだが、10分もすると「あとはこの上下運動が続いて終わるのかな」と、正直イベントの全貌が見え、ただ景色を眺めるだけの消化試合となってしまった。

 

乗り終わってみて、事前の想像を超えた出来事といえば、思った以上に象の体毛が硬くて乗降するたびにフトモモに刺さって痛いことと、象使いがぶっとい棒で象の頭をゴリゴリと殴る姿を見た友人女性がショックで泣いていたことぐらいであった…。*1

 

カオヤイ国立公園の象乗り

さて、険しい山岳地帯での移動や流通の手段として使われてきた歴史をもつ象だが、カオヤイ国立公園の象乗り体験はそういう意味で市街地版とは異なり実践的に自然を歩く。

 

歩くたびに割と揺れる椅子

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象に乗り込み、土の道を歩き始める。ゆっくりとした歩みに身体は心地よく揺られるが、ぼんやり座っていると段差や方向転換で突然左右の動きに襲われるので油断できない。

しかも僕らが座る椅子にはシートベルトも何もない。ここから落ちて踏みつけられたら…と想像すると、椅子にしがみつく手にも力が入る。

 

都市部のオンロード象乗り体験が、かつての富裕層が移動する様をシミュレートしているとすれば、カオヤイ国立公園の象乗りは、かつて象で物資を運んでいたトラック野郎の職業体験。

積荷は我々観光客だけどね…。

 

国立の公園とはいえ広さは東京都と同程度の大自然。ミニバンの天井ほどの高さから緑を眺めると、すこし風を受けて気持ちがいい。

象は陸路から川へ入水し、水しぶきを重ねて進む。途中で鼻から水を吹くおもてなし。派手だけど健気なパフォーマンスには勝手に心がグッとくる。

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森に上がり、木々を踏みつけ、ぬかるんだ段差を乗り越えて歩く象。景色が飽きることなく変わり、最後まで興奮が続いた。

集合場所に帰還し象から降りたら、直接触ったり、オプション料金で買ったバナナを食べさせたりしてイベントは終了。

 

完全にビビってます

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可愛いぜ、ありがとう象。

 

雑で荒い浮遊感と緊張感。こんな乗り物アトラクションはそうそう日本では味わえない。

 

 体毛が硬くて痛いのと、象の頭が棒で頭を殴られているのはオンロードでもオフロードでも変わりはないが、より刺激を求めるならカオヤイ国立公園をおすすめしたい。

*1:象の歩みを進めるためにやってみるみたいですね