新・全日本ブログ

5年の歳月を忘れたことにしてひっそりと再開

ブラックバスをキャッチ&リリースするくらいならベトナムでワニを釣ろう

f:id:KMJ2000:20160917142512j:plainベトナムにはワニが釣れるスポットが点在する。
もちろんマジで釣り上げて上陸させるとタダでは済まないので、ヒットすると途中でエサが切り離されるシステムになっている。キャッチ&リリースだ。

 

これを最初に見たのはメコン川にあるフーン島。
この島ではベトナム価格1万ドンでワニを1回釣れるが、同行していた現地ガイドに「スイティエン公園なら半額の5000ドンで釣れる。そっちのほうが絶対にオススメ」とアドバイスされたので素直に従った。
とはいえ、1万ドンは日本円で50円。半額でプレイできるといっても1回につき25円しか差が無い。

その上、スイティエン公園でワニ釣りをするためには「公園の入場料」に加えて「公園内にあるワニ園への入場料」が必要で、そこから1回5000ドンを払ってみると、思っていた以上にお得感が喪失する。

結局どこで釣ったらコスパがいいか?などと考える時間が無駄なので、ワニ釣りスポットを見つけた時点でさっさと遊ぶのが正解だと思う。

  

さて泥の池に近いフーン島のワニ園とは異なり、スイティエン公園のほうはコンクリート製の綺麗な水のプールのようで、一見心地よい水辺に見える。

が、やはり水面にはワニが大渋滞しており、プールとはいえナイトプールのようにはSNS映えしない地獄絵図だ。

 

ちなみに、ここで観光客をO・MO・TE・ナッシーしてくれるワニはシャムワニというクロコダイル属の1種で、フィッシングのお遊びのために飼われているわけではなく、彼らの人生の終着点は黒光りする革製品という運命だったりする。

 

それでは釣りを始めたい。

受付兼管理人である無表情のおっさんが、竹の棒にぶら下がったぶっとい釣り糸に、ひたすら腐った肉をくくりつけているので、金を払って譲り受けよう。

 

まずは釣り糸の先でふらふらと揺れる肉を高く掲げ、試合開始のゴングよろしくワニの背面に叩きつけてみた…が、その程度の挑発では微動だにしない。
その後も肉を背中でバウンドさせたり、肉でうなじを愛撫したりと、自分なりのジャブを繰り返すも、やつらは口が届かない場所にあるエサには全く無反応だ。

 

仕方なくソロソロと顔に肉を近づける……と、ある距離でワニがエコモードから爆速運転へと切り替わった!
ワニが肉へ振り向くと同時にその動きで水音が破裂し、巨大な顎が獲物に噛み付く。
まさに爆弾の爆発、0から1へのビット反転モーション。

 

【ワニヒット動画(17秒)。途中で聞こえる声は周囲の観光客で、僕には全く余裕がない】

 

噛みつかれた肉により一気に竿が前のめりにしなり、大きな力で水の方向に身体が持っていかれる。
とにかく引きが強い!目の前に高くて頑丈な柵があるのに、一瞬でバケツ一杯の不安と焦りを浴びせられる。

 

ワニが肉をはぎ取ろうと顎を揺らすたびに、二の腕に痺れるほどの力が叩きつけられるので、歯を食いしばり竿を取られないように全力で引っ張って、もういっちょ引っ張って、でももう無理……ていうか、これ普通に怖いよ!!というあたりで肉が取られ、弾かれるように糸が戻り、身体が自由になった。

 

こ、こえええぇー…。
武井壮さん、人が野生生物に勝つとか無理みたいです。

 

 

以上、決して吊り上げることは出来ないが、特大の大物に殺される気分が味わえるワニ釣り。
IMAX4D感覚でおススメです。